調和の流れを学ぶ ひとつがすべてへ すべてはひとつへ credo

梅は食べても…

2013.06.13

おはようございます、癒食カウンセラーの大森まゆみです。
梅雨に突入しましたね。
梅雨が苦手な方はどれくらいいらっしゃいますか?
正直、私も苦手な一人です。
昼夜の寒暖差、湿気でベタつく肌やまとまらない髪etc.
胃腸の不調も多く聴くお悩みですが、皆さんはいかがでしょうか。

 

そんな悩ましい「梅雨」の語源を調べてみました。
・中国では黴の生えやすい時期の雨、という意味で「黴雨(ばいう)」と呼んでいたが、
日本に伝わった際、同じ『ばい』でも「黴」ではなく「梅」の字を当てた。
・「梅の熟す時期の雨」として、元々日本でも呼ばれていた。
・梅の実が熟し潰れる時期の雨、ということから「潰ゆ(つゆ)」となった。
など諸説あります。
では、季節の名称になる程の『梅』についても、みてみましょう。

日本の梅の木は、中国・台湾・韓国など外国の梅の木とは、全く違う日本独特のものといわれています。
外国の梅がスモモのような味なのに比べ、日本の梅は強烈な酸味を持ちます。
この酸味を『クエン酸』と言い、疲労回復や美肌効果、栄養吸収の促進など、様々な効能を持つことが化学的にも証明されています。

ただし、「梅は食うとも核食うな、中に天神寝てござる」です。
熟していない青梅の果肉や種(梅仁)含まれる成分は人体の酵素によってシアン化水素(青酸)へ変化し、中毒症状を引き起こします(致死量は成人の場合300個だそうです…)。
中毒症状としては嘔吐や下痢、腹痛、痙攣や呼吸困難を引き起こします。
また、梅仁はこの毒素の割合も多く「中に天神寝てござる」(食べなさんな)なのですが、共に含まれている、ビタミン17や抗癌作用成分があるという説もあり…(科学的根拠の有・無は諸説あり判断つきかねます)。
シアン化水素自体は加熱やアルコール、塩や糖分、梅が熟すにつれて消失していくそうなので、市販されている梅自体の危険性はありません。

 

東洋医学では、紫・藍色・青は陰性を、赤・茶色・橙は陽性を表します。
熟していない梅の中毒成分は、強烈な極陰性エネルギーだと考えます。
極端に陽性に傾いている時には「薬」にも成り得るでしょうが…
科学的にも、陰陽の視点においても、「大量に食べるものではない」が原則です。

この極陰性の梅の実を自然塩で漬け込み(伝統的には塩分15~20%以上)、陽光に当て熟成させたのが、『梅干し』です。
陰から陽へ、エネルギーを変化させた、千年も前から作られてきた、日本が誇る「薬食」です。
塩気(陽性)とクエン酸の酸味(陰性)のバランスは、人体が陰性に傾いていても陽性に傾いていても、程良い『中庸』のバランスへ戻してくれます。
梅は「三毒を断つ」とも言われており、水・食・血(腸)の汚れを払います。
特に今から食中毒が流行り体力消耗も激しくなる季節や、体調不良、病気の治療中、妊娠中の方には摂って頂きたい食べ物です。

 

「減塩梅干し」はどうですか?といったご質問をよく聴きます。
「蜂蜜入り」「鰹入り」とか、『食べやすく加工された物』も多く出回っていますね。
それらはあくまでも嗜好品。
陰陽のバランスを調える「薬」には成り得ません。
また、減塩の梅干し「調味梅干」は、長期保存や味の決め手となる塩分濃度が低いため、還元水飴、発酵調味料、たんぱく加水分解物、調味料(アミノ酸等)、野菜色素、ビタミンB1、酸味料、甘味料(ステビア、スクラロース)などが使用されています。

 

問題は、「食べ方」と「食べる量」です。
いくら体に良いからと言って、食べ過ぎは傾きを生みます。
梅干しの食べ過ぎは陽性過多となり循環器や腎臓を硬化させ、甘い物・水分・乳製品・油などを呼び込むでしょう。

私たちの目安としては、中サイズ梅干しなら1日1個~多くて2個。
梅干しをそのまま丸かじりはしません(ダイレクトに効き過ぎる気が…)。
梅肉を叩いて、ご飯やサラダに混ぜ、千切ってスープやドリンクとして料理しています。
梅の種は瓶に保存しておき、煮物に加えたり、陰性症状がある時には飴代わりに舐めたりします。
梅酢も非常に使い勝手が良く、重宝しますよ。
「酢」自体の酸味は陰性ですが、同じ酢でも果実酢や穀物酢より塩分濃度が高いので、陽性な食材に分類し、目的を持って用います。
おにぎりの手水代わり(塩が不要)、塩もみの代わりに、サラダの隠し味にetc.
雨天が多く昼夜の寒暖差もある梅雨の時期は、蒸し暑くなってきているのに心身は陰性に偏りがちです。
梅干しや梅酢、根菜や海藻を上手に使って、食事は少し陽性さを意識してみて下さい。
夏に体を冷やしても、夏風邪や消化器症状を起こしにくくなりますよ。

 

日本は、1年を通して雨が多い環境です。
四季があり、気候の移り変わりも目まぐるしい。
そんな中、昔の人は、
「菜種梅雨(なたねづゆ)」「秋霖(しゅうりん)」「麦雨(ばくう)」「梅雨」など、季節ごとに降る雨を美しく名付けて、その雨が運ぶ季節の恵みを楽しんでいたようです。
「五月雨(さみだれ)」「篠突く雨」「小夜時雨」「驟雨(しゅうう)」など…時には不快で損害を与える雨の光景も、様々な言葉を用いて表現されています。
…なんだか、昔の人の『余裕』を感じますね。
忙しく、慌ただしく、体調を崩しながら極端な生活を送りがちな私たちですが、
時には昔の人の智慧を拝借し、心と体に余裕を持って過ごしてみたいものです。

健やかな心身は食べ物から。
良質な梅干し・梅酢の手作り、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

※熟していない食べ物に含まれる自然毒は、
じゃが芋、トマト、茄子、果実の種などにも含まれます。
これら陰性の食材は梅と同様、「食べ方」でバランスを取ることが大切です。