調和の流れを学ぶ ひとつがすべてへ すべてはひとつへ credo

晩夏(土用期間)の過ごし方

2016.08.05

晩夏(土用)の期間

・8月8日「立秋」~9月22日「秋分」
・各季節の土用期間

「夏の土用」は鰻を食し暑中見舞いを出す時季として有名ですが、
各季節「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前に、約18日間、それぞれの土用期間が存在します。
この時期には突然の雨や曇り空が続くなど天候が不安定で、私たちも体調を崩しやすい期間となります。
意識して養生することが必要です。

陰(寒さ)陽(暖かさ)のエネルギーが目まぐるしく変化し、大気が不安定になりがちなこの時期は、
生命体の陰陽を調和させる「脾系」(胃・膵臓・脾臓など消化管全般)の働きが重要です。
「脾系」に関わる臓器は体のほぼ中央に位置し、心身を巡るエネルギーの主軸となります。
心身の土台がどっしりと安定していれば、どんなに環境が変化しようと不安定であろうと適応し生きていけます。

四季(環境)の移り変わりが激しく、365日中の72日間が「土用期間」である日本において、脾系の働きはとても重要です。

脾系は、食べた物を消化吸収しエネルギー(氣)を全身に配る働きを持ちます。
全身にエネルギーが循環していれば、手足も体幹も温かく、免疫力も上がり風邪をひきません。
脾系は生殖器とも深く関わりを持つので、ホルモンバランスや月経周期は整い、それに伴って女性性や男性性の魅力もアップします。
健やかな体は素直な心を養います。
脾系は、ゆったりとした心地で、周囲の環境に溶け込めるような精神状態をも築いてくれるのです。

食事指針

そんな頼りにしたい脾系ですが、実は、湿気に弱いというデリケートな一面があります。
雨がよく降り、海に囲まれた湿度の高い日本では、脾系の働きは(他民族と比べて)ダメージを受けやすい状況なのです。
体の中央に位置する臓器たちは、エネルギーも中庸の質を求めます。
陰陽のバランスが取れた中庸食「ごはんとお味噌汁」(炊いた穀物と旬野菜のスープ)が、何よりの養生食です。
パンや肉が主食では臓器が乾き過ぎ(極陽)、果物や生野菜が中心では体は潤い過ぎる(極陰)のです。
(極性の食事については、陰陽の極性ページに詳しく書いています。)

脾系の働きが弱まると、いくら食べても痩せてしまいますし、そもそも「三食きちんとした食事」を受け入れることができません。
食べ物のエネルギーが偏ってしまうので、全身の状態が不安定で、風邪をひきやすく怪我も治りにくい、虚弱な体質となってしまいます。
体と心は直結していますから、脾系が弱まっている方は「低血糖症」の症状も強く根深く、自己嫌悪・自責の念に苛まれているかと思いきや、責任転嫁や興味本位の軽挙妄動にもなりがちです。
脾系は、穀物や野菜そのものの持つ多糖類の甘味や旨味によって滋養されますが、低血糖症になると「堪え」が利かないので、手っ取り早く極端に甘い物・塩辛い物でバランスを取ろうとします。

「晩夏」― 安定性のエネルギーは、胃・膵臓・脾臓で作られます。
これらの臓器は、野菜や穀物の持つ『本来の甘味』『じんわり優しい甘味・旨味』が大好きです。
南瓜の甘味、キャベツや白菜のまろやかさ、雑穀のもちもちとした粘りetc.
素材そのものの美味しさを、よく噛みしめることが大切です。

各土用期間は、出来るだけ極陰・極陽を意識して養生してみてください。

おすすめの食材

  • 穀物(特にでんぷん質の多いもちきび・もちあわ・もち米・緑米・白米・分付きご飯)
  • 球形野菜(かぼちゃ・玉ねぎ・キャベツ・カブ)
  • 体を温める根菜と海藻(大根・大根菜・蓮根・ヒジキ・アラメ)
  • 血液のめぐりを良くする(青菜・発芽野菜・薬味食材)
  • 胃腸の粘膜を保護するぬめり食材(自然薯・里芋・とろろ昆布・なめこ・貝類)
  • 血液の浄化(梅干し)
  • 栗・林檎・メロン・桃・梨
  • ひよこ豆・黒豆
  • 合わせ味噌・雑穀味噌
  • ノンカフェイン飲料(三年番茶・焙じ茶)
  • 本葛粉を利用した料理

今からは少し注意が必要な食材

  • 茄子科の野菜(茄子・トマト・じゃがいも・ピーマン)
  • 熱帯産の野菜・果物(ズッキーニ・アボカド・胡瓜・ゴーヤ・いちじく・スイカ・マンゴー・バナナ・パイナップル・香辛料)
  • 豆乳・寒天・フレッシュハーブ
  • 加工食肉製品(ハム・ソーセージ・ベーコン・ミートボール)

「注意が必要な食材」は、徐々にメイン料理から外し、副菜の一品(たまのお楽しみ)として添える程度に切り替えてみましょう。

 

おすすめの調理法

スープです。
完全に密閉してしまわず、蒸気が自由に逃げていける、簡単で手軽なスープ。
お薦め食材の3~4種類ほどを重ねて、ヒタヒタの水で煮てみましょう。
動物性食材との組合せなら、少し注意が必要な食材(茄子科の野菜)も加えたスープを。
煮物でもあまり煮詰めないで、スープ?と思われるくらい汁気が多く仕上げます。

  • 味噌汁
  • ポタージュ
  • 具沢山のスープ
  • おすまし
  • ミネストローネ

男性向け、陽性な目的ならばイリコ出汁や鰹出汁も時には◎
女性や小さなお子様、中庸~陰性な目的ならば昆布と干し椎茸の出汁、野菜出汁。

日々少しずつ摂り入れて、穏やかな心地で次の季節を迎えられますように!