調和の流れを学ぶ ひとつがすべてへ すべてはひとつへ credo

「肝」のビジョン

2017.02.10

肝の性質・働き

体幹の最底辺で生まれた「快・不快」が、腹の上に昇っていくにつれて脳と近づき、言葉を得て「感情」として形作られていきます。

腎の『恐怖』は「闘争か逃走か」(アドレナリン・ノルアドレナリン)と二極化し、
闘争心は肝のパワフルさと、逃走心は脾系の周囲環境をキャッチする観察力と合わさって、それぞれ「怒り(闘争)」か「憂慮(逃走)」となって体現します。

内臓 前側
使用イラスト(c)フリーメディカルイラスト図鑑

肝臓は、約2500億個の肝細胞と2000種以上の酵素から成る、人体最大、24時間稼働の「化学工場」
胃腸で吸収された粗い栄養分を膨大な血流と共に最初に受け止め、代謝解毒、余剰を貯蔵&放出し、体全体の血流・栄養状態を調整します。
特に午前中に活性化し、深夜間は自らの細胞を修復・再生しており、東洋医学で用いられる「子午流注」では、肝の経絡は1時~3時に気血が肝に戻るとされています。
(『時間治療』では、解毒が速まるよう、抗がん剤を夜間に投与するそうです)

本来の仕事は、毎日入れ替わる全身細胞の原料合成し新陳代謝を促す(老化防止)ことです。
酵素を使った解毒作業は、生体にとって緊急度も重要度も高いけれど、本来優先してやりたい作業ではないらしく、負担も大きい。
これが続くと肝臓そのものの再生キャパを超えて、肝細胞が傷つき酵素が血中にダダ漏れし、
血液検査で度肝を抜く値と遭遇することになります。

 

・・・肝臓って、
かける負担次第で、ブラック企業(工場)になりますよね。
ブラック企業って、「全部受け入れる」体制、顧客のわがままが背景にあるのでは?と思う私です。
目の前の緊急度・重要度(現実問題)に振り回されて、最初の目的(どう生きたいか・生き甲斐)を見失っている、という感じ。

一部はすべてに通じていて。
看護師時代の経験やセッションを通して気づいたことですが、肝臓の働き方(働かせ方)は、そのままその人の働き方・価値観に通じていくように感じられます。

 
肝臓疾患の方は、責任感がすごく強い。
全然遊ばない、ものすごくよく働く。
(でも本人は、『全然出来てない』とおっしゃる)
「いいよいいよ、私がやる」
「こうするべき(当然)でしょ?」
「私の責任だから」と、よくおっしゃる。
パワフルで行動的、豪快、おしゃれ。
リーダシップがあり即問題解決に動き出す「姉御肌」「親分肌」だったり、話好き世話好きな「おかみさん」風、太鼓腹!
全身に力が漲っているような固太り体型
(特にウエストのくびれがなく、太ももが横に張り出すように足太り体型)や、痩せていても虚脱しておらず、目の鋭さが特徴的でした。

冗談に、毒を含んでいる話し方。
言動も、無意識にちょっと乱雑(物をドサッと投げ置く、「つい」人や物を叩くとか)。

お部屋はこまごまとした荷物が多くて、いつの間にか、お見舞い品や書類、ボールペン、小さな菓子、空き箱、衣服がどんどん溜まって行く。
一見サバサバしているのに、執着にも似た『捨てられない病』が、他疾患に比べると多くいらっしゃったように感じます。

肝臓の分解解毒機能が停滞すると、その人自身の『要・不要』判断が鈍ってくるのかなあ?
なんだか自暴自棄になっているみたい・・・
と、東洋医学やマクロビオティックを何も知らなかった頃、うっすら感じていました。

あの時の直感は当たっていたように今は思います。
門脈を通して血流が一手に肝臓に流れ込んでいくように、肝臓系が疲弊する時は、物事人の流れを一手に引き受け過ぎている時。
停滞はしがらみになって、自重で動けなってイライラしている。

 
肝臓の疲弊を一言で言い表す言葉は、「癇癪」です。

「癇」は肝臓の肝を、
「癪」は疲労が積もった状態で疾の2番目くらいの状態を表しており、
肝の癪とは、「キレル」状態・・・癇癪です。

怒りを爆発させる時の、威嚇のポーズを思い出してみてください。

鶏が翼を大きく広げるように、全身をいからせ膨張させる。
「いかり肩」
「髪の毛が逆立つ感じ」「頭に血が昇る」
「手のひらを握りしめ振り上げる」「爪を立てる」
「クワッと見開いた目」「吊り上がる眉、眉間の皺」
「駄々をこねて踏み鳴らす足」「貧乏ゆすり」

 

東洋医学で肝臓の気が通るとされる感覚器官は、
・眼
・爪
・筋
・足の親指側の内側ライン
・体全体の横側(側頭部からウエスト、太もも外側ライン)に気の道が走ります。
威嚇のポーズラインが、肝の気が開く場所です。

全身の緊張は逆流して肝を傷め、傷めた肝からは停滞した気が全身を硬くさせる。

肝が元気になる方法

血液が集中し体内で最も重くカッカッした臓器だからこそ、肝を養うのは
・軽やかさ
・爽やかさ
・清々しさ です。

良い香り、菌が湧き立つ酵素食やフレッシュな青菜、酸味の果物、
目に優しい色合い、清々しい空気の流れ、リラックスをもたらす居場所や関係性が必要です。

休む、任せる、頼る、断る、没頭する、気を抜く手を抜く、楽々と。

即物的な現実世界とちょっと距離を置いて、精神性の世界、音楽、芸術、自然に触れること。
現実離れしがちな理想像はさておき、「よーーーく頑張ってる!!」って、自分を認めてみる。
子どもがお手伝いしたら、目いっぱい褒めてもらえるように。

子どもみたいに、鼻歌うたって、生きる(^.^)
それくらいの方が、肝臓は楽ちん。

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肝臓は、午前中や春先、特に働いて自浄をもたらす臓器。
朝や春、地上の気は天(未来)を目指して上昇拡散して行きます。

その大地に流れる気の流れと共鳴し、腎から昇って来た「快」「好き」を、「ワクワク♪」「童心」に形成するのが肝。
・新しいビジョン
・発見
・希望
・夢
・想像(創造)性
・楽観性
・ポジティブ思考
・程よい現実的な企画計画力
・好奇心
・挑戦する勇気
・向上心
・成長発達etc.

「あ、あれやりたい!」
「こういうのいいよね。やってみよう♪」
こんなインスピレーションがポッと芽生えるのは、肝臓がスムーズに動ける遊びの部分、「余白」が、人生にも体にも心にもお部屋にも、あるからだと思うのです。